ヘッダーイメージ 本文へジャンプ
折々の記録
 
2010以前 2011~2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年



2020年


2020年12月27日(日) 金沢八景のカモとトビ

 晴天のもと、横浜市南部の金沢八景を訪れた。私たち夫婦のお気に入りの場所だ。平潟湾から野島に続く海岸に、スズガモ、ヒドリガモ、ホシハジロ、オオバン、ウミウ、トビなどが生息している。とくにスズガモは、野島の沿岸に1000羽以上の群れで休息、採食している。この地の冬の風物詩になっている。
 この地では、湘南とその隣接地域同様、トビが人の食べものをねらって降下してくる。人の背後から飛んできて、弁当などを足でつかんでかっさらっていく。見事と言えば見事な飛行術(?)だが、人はびっくりしておそれることになる。しばしば起きることなので、注意喚起の看板が立てられている。

2020年12月19日(土) “The Largest Avian Radiation”

最近、Lynx社から出版された“The Largest Avian Radiation”が届いた。鳥類全体約1万種のうちの6200種以上を占めるスズメ目鳥類の進化を扱った書だ。近年のDNA分析の成果を十分に取り入れながら、スズメ目鳥類、一般に小鳥と呼ばれる一大グループの進化、適応放散の実態やあり方を紹介している。
 スズメ目の鳥は、以前は鳥類の進化史の遅い段階で出現し、進化したとされていたが、近年の研究からは、むしろ早い段階で現れたことが明らかになっている。いずれにしても、急速に進化、適応放散したグループだ。本書では、スズメ目全体の進化のあり方を示すとともに、目を構成する各グループ内外の関係をも具体的に明らかにしている。
 著者は約20名からなり、スウェーデンやデンマーク、ノルウェーなど北欧の研究者が多くを占める。440ページほどの大著。全ページカラー、豊富な図やイラストが描かれている。
 楽しみながら多くを学べそうな、興味深い書だ。

 


2020年12月9日(水) 水辺のにぎわい、コロナ禍

 水辺がカモ類やサギ類、バン類などでにぎわっている。横浜北部の緑地の池では、オナガガモ(写真)、キンクロハジロ、カルガモ、コサギ、アオサギ、オオバンなどが見られる。カモ類の中には、すでにつがいになっているものもいる。カワセミは静かに単独生活。
 林の中は静かだが、ウグイスのチャッチャッ、チャッチャッという笹鳴き(地鳴き)が冬の気配をただよわせている。
 新型コロナ感染の勢いが止まらない。本日の東京の新規感染者数は572人(国内最多)。大阪や北海道などでは、医療崩壊に近づいている。その一方で、Go Toなんとかなどが相変わらず進んでいる。欧米を中心に、世界はもっとひどい状況。このコロナ禍、この先どうなるかは不明。不安な日々が続いている。

2020年11月16日(月) メジロの水浴び

 1週間ほど好天が続いている。空気が乾燥している中、横浜北部の緑地で、メジロが水浴びをする場面に出合った。10羽ほどのメジロの群れが移動してきて、1~3羽が水路の浅い部分に次々に降り、水浴びした。2羽で降りることが多く、つがいの2羽であったのかもしれない。
 好天はあと1週間ほど続く模様。この水場に、メジロ以外のいろいろな鳥がやってくるかもしれない。楽しみ。



2020年11月12日(木) ハリオアマツバメの渡り論文

 少し前になるが、10月下旬に、ジオロケータを利用したハリオアマツバメの渡り追跡論文が受理された。投稿先は、ハワイ大学出版の国際誌、Pacific Science誌。書誌情報は以下。

Yamaguchi, N. M., Mori, S., Yonekawa, H., Waga, D. and Higuchi, H. (accepted).
"Light-level geolocators reveal that White-throated Needletails (Hirundapus caudacutus) follow a figure-eight migration route between Japan and Australia"
Pacific Science

 論文名からわかるとおり、日本とオーストラリアの間を8の字を描いて渡った経路について記述している。ハリオらしい実にダイナミックな渡り経路だ。出版されるのは来春の予定。




2020年11月10日(火) 紅葉と冬鳥の渡来、米国大統領選など

 湘南地方が紅葉の季節を迎えている。横浜北部の緑地では、ケヤキ(上の写真)、コナラ、オオシマザクラ、イロハモミジなどの葉が美しい黄や赤に染まっている。散策をおおいに楽しむことができる。
 冬鳥もいろいろ渡来してきている。同緑地の池には、オナガガモ、コガモ、キンクロハジロ(下の写真)、オオバンなどが姿を見せている。常連のコサギやカルガモの個体数も増えている。ツグミやジョウビタキの姿は見られないが、じきにやってくることだろう。
 おおもめにもめたアメリカの大統領選挙、先週末、ジョー・バイデン氏が当選確実となった。これまでの4年に失ったアメリカの尊厳、信頼、国際協調が、もとに戻ることに期待したい。
 新型コロナ感染が、欧米を中心にいまだ拡大している。とくにアメリカがひどい。トランプ政権下でのマスク非着用や密状態の放置などが関係している。日本でも拡大しつつある。国のGoToキャンペーンなどが、感染に対する国民の意識を低くしているからだろう。国内外ともに、どのようにして収まるのか、出口が見えない。




2020年11月3日(火) お化け植物?

 横浜北部の緑地で、奇妙な形状のものを見つけた(写真)。最初はキノコかと思ったが、たたいてみると硬かった。知人で筑波大の上條隆志教授(植生学、植物学)にたずねたところ、ラクウショウの気根だとわかった。
 ラクウショウは、漢字で落羽松と書く北米原産の落葉針葉高木。湿潤環境に生育し、沼沢地で根元が水に浸かった状態で自生することが多い。このため、日本ではヌマスギと呼ばれる。
 たしかに、きょう出合った気根も、湿地の林の地表から出ていた。大きいものは、高さ30センチほど。5m四方ほどの湿地に多数出ており、奇妙な景観を生み出していた。



2020年10月29日(木) 匂いの記憶

 晴天のもと、横浜市金沢区の小柴漁港に出かけた。高校生のころまで私のお気に入りで、ひと夏に何10回も訪れたことのある場所だ。
 当時はひなびた漁港で、桟橋の先端でよく釣りをしたものだ。ハゼ、カレイ、アイナメなどが釣れた。また、夏には潮干狩りも楽しんだ。黒くて大きなアサリがたくさん採れた。
 今はそんなことができる雰囲気はまったくない。まわりをぐるっと住居や公園で囲まれ、すぐ近くに一大行楽施設、八景島シーパラダイスができている。
 大きく変わってしまった様子におどろき、少なからず落胆したが、漁港の匂いは当時と変わっていないことに気がついた。漁港はどこも同じような匂いがするものだが、たしかにこの漁港の匂いは、ある種、独特なものがある。50年以上の時の隔たりがあるのに、「匂いの記憶」があるのに自分自身おどろいた。
 漁港内には、ウミネコ、ユリカモメ、カワウ、トビ、ハシブトガラスなどがすみついていた。

2020年10月27日(火) コクリ!プロジェクト

 本日、コクリ!プロジェクトの主要メンバーの方々に、「世界の自然と自然、人と人をつなぐ渡り鳥」と題する話をした。会場は、東京の世田谷にあるThe Forum Setagaya。コクリ!プロジェクトとは、コ・クリエーション(共創)プロセスを使って、地域や社会に大転換を起こそうとする研究コミュニティ。リクルートの研究所に勤務される三田 愛さんが創始者でディレクター。
 
  http://cocre.jalan.net/cocre/cocre/

 今回の件は、コクリ!プロジェクトが今後、人と自然の共生をテーマに活動を展開することになり、その参考にとのことで依頼された。依頼してくださったのは、慶應大SFCのOGで現在アメリカのデューク大学に留学中の水野紗也さん。
 私の話は、いろいろな渡り鳥が遠く離れた国や地域の自然と自然、人と人をつないでいるという内容。話の中の主役は、東アジアのすべての国を一つずつめぐるハチクマと、朝鮮半島非武装地帯を安住の地としているツル類。新しいバージョンのパワポ資料を使って話した。会場はズームでいくつもの場所とつながっていた。
 三田さんやアメリカからズーム参加の水野さん、ほかいろいろな方と、貴重な意見交換ができ、有意義な時を過ごすことができた。

2020年10月24日(土) 鳥類学者が「総理の夫」に!

ちょっとした案内をひとつ。

原田マハ著『総理の夫』(実業之日本社)、2013年に出た本だ。妻が総理大臣になり、政治の闇の中で孤軍奮闘する物語だが、その夫がなんと鳥類学者!東大の生物多様性科学研究室(私が20年近く教授を務めていた研究室の名称)の出身で、都内の鳥類研究所に勤めている。小説ではこの夫、日和(ひより)が、総理大臣になった妻、凛子(りんこ)の日々を日記風に綴っている。

夫が鳥類学者というところがおもしろいのだが、政治の闇の中で奮闘する「容姿端麗、頭脳明晰」な妻の様子もよく構成されていて、興味深く読むことができる。

この小説が映画化されることになった!
鳥類学者の夫は田中圭さん、妻の総理役は中谷美紀さんが演じているとのこと。数日前に案内がネット上に出た。

  https://www.toei.co.jp/release/movie/1222407_979

私は美術関係のことなどで、少しだけ協力した。鳥関係の知人も、何人か協力しているようだ。

撮影はすでに終了しているとのこと。映画がどんな風になっているのか、楽しみ。

ストーリー中、夫婦は都内の古い邸宅に住んでいるのだが、夫の日和は、必ずしもカッコよい役柄ではなく、政治の世界に巻き込まれる“とほほ”の鳥類学者。

ただ、楽しみではあるのだが、映画の公開はまだまだ先の来年秋とのこと。

待ちきれない!!!という方は、上記の小説『総理の夫』を読まれるとよいかもしれない。鳥や鳥類学者、あるいは政治や女性総理などに関心のある人にとっては、よい「読書の秋」になるのではないかと思われる。


2020年10月20日(火) 小網代

 久しぶりの好天下、三浦半島先端の小網代に出かけた。すっかり秋の気配。モズの高鳴きが響きわたり、たくさんのアキアカネが空を飛びかう。林縁にはホトトギスの花々。その花に、昆虫のホウジャクがハチドリのように飛びまわる(写真)。ススキの穂が風に揺られ、ノギクが薄紫色の花をつけている。
 夏鳥の南下は過ぎ、冬鳥の渡来にはまだ早い模様。にぎやかなのは、ガビチョウだけ。例によって、大声でさえずっている。
 NHK関連の撮影隊が、取材にきていた。「新日本風土記」の撮影とのこと。よい映像が撮れたに違いない。

2020年10月1日(木) 中秋の名月

 今宵は中秋の名月。「中秋の名月」とは、太陰太陽暦の8月15日の夜に見える月のこと。見事な満月が暗闇に浮かんでいるように見えるが(写真)、国立天文台によると、満月はあすとのこと。今年は、中秋の名月と満月が1日ずれることになる。
 月日の流れを自然の中に感じることができるのは、すばらしいことだ。しばらく好天が続く模様。あすの満月は、ススキの原を前景にながめようか。



2020年9月30日(水) カラ類の群れ

 久しぶりの青空。さわやかな空気の中、すまい近くの林を散策。カラ類の群れに出合う。シジュウカラ、ヤマガラ、エナガ(写真)、メジロからなる20羽ほどの群れ。シジュウカラは5,6羽が地表から林の下部分を、エナガは10羽ほどが枝先を、ヤマガラとメジロはそれぞれ1,2羽が林の中ほどを移動。これも初秋の様子。
 ハシボソガラスが、ドングリを足で抑えてくちばしで割り、中の白い部分を食べていた。ドングリがどの木のものかは不明。付近には、コナラ、アラカシ、スダジイ、クヌギなどがある。中身が白いことからすると、スダジイのドングリか。
 道ばたでは、ヒガンバナの花やムラサキシキブの実が目立っている。
 あすから10月。朝晩がすっかり涼しくなった。

2020年9月23日(水) 秋の気配

 南関東では、1週間ほど前まで日中の気温が30℃を超える日が続いていたが、さすがに朝晩の気温が下がってきた。きのう、きょうあたりは最低気温が20℃を下まわっている。ちょっと寒いくらいだ。
 森や林では、遅い時期にまで鳴いているツクツクホウシの声も消えた。静けさの中に、虫の音がやわらかに響いている。鳥の世界も静かだが、モズの高鳴きがところどころで聞かれる。野辺にはコスモスやヒガンバナ(写真)の花が咲いている。
 もう9月も下旬。秋の気配がただよっている。



2020年9月14日(月)~16日(水) 三宅島

 8か月ぶりの三宅島。新型コロナの感染拡大防止のため、しばらく訪島を見送っていた。東京の竹芝桟橋、船内、島内の公共施設など、マスク着用はもちろんのこと、体温測定を義務づけられている。
 神着火の山峠入り口、太路池、村道雄山線、薬師堂などを訪れる。全体に鳥の世界は静かだが、どこに行ってもカラスバトの声が響いている。ウッウルルーウッウルルー、モーウといったような声だ。今の時期、好んで食べるスダジイやツバキの実がなり始めているので、活発になっているようだ。ほかに目につくのは、メジロ、ヒヨドリ、シジュウカラ、イソヒヨドリ、ハシブトガラスなど。
 村道雄山線から上がった、通称ハチマキ道路から雄山頂上方面をながめると、昨夏よりも緑がやや広がっているように見える(写真)。火山ガスの噴出が治まり、ハチジョウススキやハチジョウイタドリなどがさらに進出しているようだ。


2020年9月7日(月) 巨大台風10号到来

 昨日から本日にかけて、「これまでに経験したことのない規模」と言われる台風10号が沖縄から九州方面に到来した。予想されていたほどではなかったものの、いくつかの地域では、最大瞬間風速60m、あるいはそれ以上の猛烈な風が吹き、降雨量も1日で500㎜に及んだ。一部の家屋は倒壊、電柱や樹木はなぎ倒され、広い範囲で停電が発生した。1週間ほど前に大型台風9号が、やはり九州方面にきていたので、たび重なる被害となった。
 地球温暖化もかかわる海水温の上昇が、こうした巨大な台風を発生させている。今後、同じような状況がまれならず出現するようだ。新型コロナ、熱中症、大型台風と、さまざまな問題が折り重なるように訪れている。

2020年8月23日(日) 藤沢で講演

 神奈川県の藤沢市で、「鳥のくらしと生物多様性の保全」について講演。里山の四季から始まり、サシバのくらし、タカ類の渡り、鳥のくらしへの温暖化の影響などについて話した。主催は藤沢探鳥クラブ、会場は藤沢市民会館小ホール。
 コロナ禍のおり、半年ぶりの講演だった。この間、海外のもふくめ、依頼されていた講演はすべてキャンセルになっていた。コロナ感染が収まっていない中、会場では、各人の前後左右の席は空席、全員マスク使用、トイレ休憩はなしなどの配慮がなされていた。
 参加者には鳥の生態や保全に関心のある人が多かったようで、みな熱心に聞いてくれていた。また、講演後の質問もすぐれた内容のものが多かった。やはり、多くの人と交流できるのはうれしいことだ。ただし、密を避けるため、終了後の会食交流会は取りやめとなった。

2020年8月11日(火) 酷暑

 気象庁によると、本日、関東北部で気温が40℃を超えた。南部でも、のきなみ30度後半。コロナ禍の影響もあって、さすがに日中外に出ている人は少ない。
 35℃以上は猛暑と呼ぶが、40℃以上には特定用語がない。ちなみに猛暑と酷暑は同じ意味だとのこと。しかし、今後、40℃以上の日や地域が少なからず出てくると、特定用語も必要になるだろう。
 湘南地方では、林縁や路地でタカサゴユリの花が目立っている(上の写真)。台湾原産の帰化植物だが、清楚で美しい花だ。種子が風で運ばれて拡がるので、あるところにはものすごい数の花が見られる。それはちょっと幻滅。
 すまい近くの緑地で、ノコギリクワガタに出合った(下の写真)。コナラの幹にいた。しばらく出合っていなかったので、ちょっと嬉しい気分。
 蝉時雨がものすごい。もっとも多いのはアブラゼミ、次はミンミンゼミやヒグラシ。この時期、アブラゼミはあちこちで死骸が目立つ。セミの成虫の命ははかない。

 鳥では、キジバトが元気。飛翔やさえずりが目や耳につく。






2020年8月9日(日) ツミ

 すまい近くの緑地でツミを見た(写真)。水路のふちに1羽で静かにとまっていたが、近くを人が通ったため、飛び立って木の枝に移動。雌のようだ。
 ツミはこの時期、少なからず人の近くに現れる。声を出すことはほとんどない。
 カルガモの家族群は、完全に崩壊した模様。この日は単独個体を見たのみ。
 蒸し暑い中、ジョギングする人の多くが、マスクをつけたまま走っている。新型コロナの感染拡大防止にはよいのだろうが、熱中症になるのではないかと心配。

2020年8月5日(水) 暑いっ!

 梅雨明け後、蒸し暑い日が続いている。暑さに参っているのはカラスも同じ。どこに行っても、口を開けながらくらすカラスが見られる(上の写真、ハシボソガラス)。夏痩せしているカラスもいる。
 きょうは炎天下、久しぶりに横浜南部にある舞岡の里山に出かけた。鳥たちの中でいまだにさえずっているのは、ウグイスとガビチョウ。キジバトが、タカのように翼をはためかせながら飛んでいた。
 田んぼには、シオカラトンボやショウジョウトンボ(下の写真)、オニヤンマなどが飛びかい、林では、アブラゼミやミンミンゼミ、ヒグラシなどが大合唱。道ばたには、ハギ、ミソハギ、ヒヨドリバナ、ヤマユリ、クサギなどの花々。
 クリの木には、早くも小さめの「いがぐり」がついている。蒸し暑さの中でも、季節は進んでいる。

 例年だと、この時期は北海道にハリオアマツバメの調査に出かけている。今年は新型コロナの影響を考慮し、出かけないでいる。





2020年8月2日(日) 梅雨明け
 
 昨日、気象庁が関東・甲信・東海地方が梅雨明けしたようだと発表。平年より11日遅く、梅雨明けが8月になるのは関東・甲信で13年ぶり。久しぶりの夏空のもと、夫婦で横須賀・野比にある光の丘水辺公園に出かけた。初めての訪問。池にはミズキンバイの黄色い花(写真)が多数咲き、キイトトンボやコシアキトンボが飛びかっていた。鳥はカルガモ、カワセミ、ツバメなど。
 本日は、すまい近くの池/緑地へ。観察を続けていたカルガモ親子は、完全に分離してしまった模様。大きめの成鳥1羽と小さめの幼鳥1羽が一緒にいたが、じきに幼鳥の方が飛び去ってしまった。林の中は蝉時雨。アブラゼミ、ミンミンゼミ、ヒグラシなどがさかんに鳴いていた。

2020年7月29日(水) セミの羽化の瞬間など

 すまい近くの緑地で、セミの羽化の瞬間を観察した。見始めた時には、すでに茶色い殻から体が半分以上出ていた。30分後には、体がすべて出たが、翅はまだ小さく柔らかい状態(上の写真)。セミの種名は不明。周囲には、アブラゼミ、ヒグラシ、ミンミンゼミが鳴いていた。
 追跡中のカルガモ、きょうは4羽が一緒にいた。親子関係は不明。それなりにまとまっていたが、異なる個体が互いにほかを追い払うような行動が少なからず見られた。
 水路では、ハグロトンボが見られた(下の写真)。夏の風情。鳥の世界は換羽のためか、静寂。植物は、クサギやアカメガシワの花が目立った。
 梅雨は今週いっぱい続く模様。新型コロナの感染者数は、首都圏だけでなく、全国的に急増。そんな中、「Go to トラベル」キャンペーンが実施されている。





2020年7月24日(金) カルガモ親子のその後

 観察を続けているカルガモ親子、ここ数日、姿が見えないことがあった。本日5羽の群れを発見。雌親らしき鳥が見られるが、幼鳥との区別は困難。5羽はそれなりにまとまっており、移動も一緒にしていたが、以前のような緊密さはないように感じられた。残りの3羽はどこに行ったのか。どうやら、親子の群れは部分的に解消したようだ。数10m離れたところに、1羽だけ単独でいるものもいた。
 水路沿いに、ギボウシの薄紫色の花が見られるようになった。ミソハギの花は盛り。林では、アブラゼミやヒグラシの声。雨続きの毎日だが、そろそろ梅雨明けか。

2020年7月21日(火) ドラマ「今日も嫌がらせ弁当」

 夜、たまたまテレビのチャンネルをまわしたら、「今日も嫌がらせ弁当」というドラマ(もとは映画)をやっていた。シングルマザーが毎日の弁当づくりを通じて、反抗期の娘と交流する物語だ。
 最初はなんか変なドラマだなと思ったが、舞台が八丈島であることがわかり、引き込まれた。新型コロナの影響で今期は八丈/小島に出かけられなかったので、話が展開される中、島の中の様子が現れ、小島が見え、連絡船の橘丸が登場し、とてもなつかしく思った(!)。
 ありがちな恋愛ドラマでもない、推理ものでもない、母娘の心情が巧みに描かれる話の中身も、なかなかのものだった。結局、最後までしっかり鑑賞した。母親役の篠原涼子さんの熱演が印象的だった。


 新型コロナの影響で公開が延期となっていた映画「グランドジャーニー」が、今月23日に公開となる。、一人の少年が、ノルウェーからフランスまで超軽量動力機でガンの群れを誘導する物語だ。物語の概要は、この折々の記録で3月11日に書いている(→こちら)。


2020年7月20日(月) 四季の森

 梅雨明けはまだだが、蒸し暑い日が続いている。横浜市北部の県立四季の森。いつものように、カワセミが池で採食していた。ウグイスとガビチョウのさえずり、アオゲラのけたたましい声も。
 植物では、ヤマユリ(写真)、ノカンゾウ、ヤブカンゾウ、オカトラノオなどの花々、やキブシ、ガマズミ、ヨウシュヤマゴボウなどの実が目についた。
 首都圏では、新型コロナの感染者数が急増している。東京では最近、1日に300人近い人が感染している。いまだに、遠出の野外調査は控えざるを得ない状態が続いている。


2020年7月6日(月) カルガモ親子

 すまい近くの池のカルガモ親子。8羽のひなは健在。生後45日ほど、すっかり親の外観になり、幼少時の面影はない。青い翼鏡も発達している(写真)。あいかわらず、人をほとんどおそれない。道行く人たちのアイドルになっている。
 池のほとりには、ノカンゾウやヤブカンゾウが橙色の花をつけている。季節は確実に進んでいる。
 新型コロナの感染者数がまた増加している。東京では、5日続けて100人を超えている。近隣県でも増加、依然として安心できない毎日が続いている。



2020年6月23日(火) サンコウチヨウの観察

 すまいから少し離れた山林に、サンコウチヨウの繁殖の観察に出かけた。渓流沿いの林に3~4つがいほどがおり、そのうちの一つで巣を観察することができた。ひなは生後10日齢ほど。雌雄で給餌に来ていた。
 渡来してきたのが5月上~中旬、現在どのつがいも育雛中と思われるが、日中でも比較的よくさえずっている雄がいた。繁殖に失敗した個体かもしれない。
 サンコウチヨウの雄は、いつ見ても優雅だ(写真)。長い尾をひらめかせて飛ぶ姿は、とりわけすばらしい。きょうは鳥の方から近寄ってきてくれることもあったので(警戒されていたわけではない)、よく観察でき、姿をじっくり見ることができた。

2020年6月21日(日) カルガモ生後1か月

 すまい近くの池のカルガモのひなが、生後1か月を迎えた。写真の通り、すっかり大きくなり、ひなというより成鳥に近い顔立ちになっている。しかし、8羽のひなは、相変わらず雌親とともにくらしている。行動範囲は日に日に拡がり、池から水路、歩道とあちこち動きまわっている。
 水路や歩道を移動するさいには、通常、親鳥が最後になる。後方から、ひなたちの様子を見ているのだ。
 きょうは、1羽のひながザリガニをとって食べていた。てこずってはいたが、最終的に飲み込んだ。こんな様子を見たのは、ほかの成鳥をふくめても初めてのことだった。





2020年6月20日(土) 三浦半島小網代

 梅雨の晴れ間。久しぶりに三浦半島の小網代(こあじろ)を訪れた。新型コロナの影響でいろいろなことが自粛続きだったが、数日前に多くが解除になった。そんなこともあって、予想以上に多くの人が当地を訪れていた。
 湿地にはハンゲショウが群落をなし(上の写真)、白い葉と花がきわだっていた。林縁にはヤマユリがみごとな花をつけていた。昆虫はオニヤンマ(下の写真)やシオカラトンボなど、シオカラトンボは雌「ムギワラトンボ」と交尾していた。鳥はウグイス、ヒヨドリ、ガビチョウ、ハシブトガラス、トビなど、ガビチョウのさえずりが響きわたっていた。
 蒸し暑い日ではあったが、時おり風が気持ちよく吹きわたり、木陰は涼しかった。昼食時、上空を飛びまわるトビに気をつかいながらも夫婦で食事を楽しんだ。


2020年6月10日(水) カルガモのひな、順調に成長

 継続観察しているすまい近くのカルガモ親子、ひな8羽が順調に成長している(上の写真)。ひなの顔つきが成鳥に似てきた。翼や腹にも新しい羽毛が生えてきた。
 本日、1羽のひなが親からはぐれる場面が2回あった。1回目、小さな池で採食中、1羽のひながほかの親子の群れから7,8m離れ、草むらの陰でほかを見失った。ピーピーと大きな声で鳴きながら不安な様子。やがて、雌親が現れ、ひなは急いでそちらに移動。親子ともに安堵!
 2回目、親子で小さな池から離れ、歩道を横切って水路に移動中、騒いで近づく人の子供がいたためか、1羽のひなが歩道を渡れず。ほかの親子は水路に入っていたが、はぐれたひなが鳴いたため、雌親が歩道まで現れ、はぐれたひなのそばに近づく。すぐのち、連れだって水路へ(下の写真)。ついていくひなが、なんとなく、申し訳ないようなそぶりに見える。
 人の母親が子供に、カモさんたちに近づきすぎちゃダメ!と叱っていた。







2020年6月9日(火) 『日本鳥類図譜』の発刊

 久保敬親さんの写真集『日本鳥類図譜』の見本が、山と渓谷社から送られてきた。近日、発売予定の大型写真集で、北海道から沖縄までの200種ほどの鳥が環境別に登場する。写真はすばらしく、またレイアウトがすぐれているため、単独の鳥も大きな群れの鳥も見ごたえがある。私は本書全体の監修を務めた。解説は柴田佳秀さんによる。
 本書は、久保さんの写真人生50年の集大成とも言えるもの。きわめて残念なことに、久保さんは昨年1月に肺ガンで亡くなられた。きっと天国で、本書の出版を喜んでおられることと思う。
 本書が書店に並ぶのは今月16日ころ。定価は本体4200円。

2020年6月8日(月) 多摩川河口

 久しぶりに多摩川河口を訪れた。京浜急行の小島新田から歩いて15分ほどで、河畔に出る。
 ヨシ原では、オオヨシキリが大きな声でさえずっている(写真)。150mほどの長さの道沿いに4,5羽の雄がいて、鳴き合っている。河川上空ではコアジサシがキリッ、キリッと鳴きながら飛びまわり、時おり水面に急降下して小魚を捕らえる。干潟には、50羽ほどのカワウの群れが休んでいる。のどかな光景に心が安らぐ。
 蒸し暑い一日だった。まだ6月上旬だというのに、関東地方で30℃を超えた地域が何か所かあったようだ。



2020年6月1日(月) 紫陽花の季節

 きょうから、早や6月。道路ぎわや家庭のアジサイが青や紫の花をつけている(写真)。きょうは一日、小雨がちであったため、梅雨時の紫陽花のようで、風情が感じられた。しばらく出かけていない三宅島では、林縁でガクアジサイが清楚な花をたくさん付けていることだろう。
 本日から営業を再開した店や会社、スーパーが多く、街にたくさんの人が出ていた。ちょっと多すぎるかなと心配するほど。ニュースによれば、都心の朝の通勤列車は、平常時のように過密とのこと、こんな状態がこのまま続いていって大丈夫なのだろうか。
 まだまだ気を抜けない毎日だ。

2020年5月29日(金) カルガモひなの成長

 すまい近くの池で、カルガモのひなが順調に成長している。ただし、ひなの数は8羽に減少。あいかわらず、50mほど離れた大きな池と小さな池の間を行き来しながら、過ごしている。
 小さな池では、雌親はほかのつがいに追われ、ひなだけが残ることがある。ひなは、雌親がいなくなっても、それほど気にしている様子はない。雌親を追い払ったつがいが数mほどのところに来ても、近づこうとはしない。つがいの方も、ひなを無視。互いに、呼び合う声は出さない。
 きょうは、夏のような暑い日。親子はともに、さかんに水浴びをしていた。ひなたちは水浴びが済むと、石の上に上がり、キショウブがつくりだす日陰で一休み(写真)。1週間でだいぶ大きくなったが、まだあどけなさは残る。



2020年5月25日(月) 緊急事態宣言、全面解除

 本日、首都圏や北海道も、緊急事態宣言が解除となった。これで、日本全国全面解除となったことになる。しかし、都民や県民は新型コロナ感染が完全にはおさまっていないことを知っているため、疑心暗鬼の状態。浮かれた様子は見られない。
 すまい近くの池では、あいかわらず、カルガモ親子のほほえましい光景が見られる。きょうは、歩道を横切って別の池に入る様子を観察できた。ひなの数は9羽、1羽減った。カラスか何かに食べられてしまったのか?

2020年5月22日(金) 季節は進む2

 暗いニュースが続いているが、季節は確実に進んでいる。本日、すまい近くの池でカルガモ親子がのんびり過ごしているのに出合った(写真)。ひなの数は10羽、ふ化したのは数日前と推定される。ひなたちは、親鳥の保護のもと、水辺を泳ぎながら水面付近から小さなものをとって食べていた。
 このカルガモ親子はまったく人をおそれず、人が手の届く距離にいても採食を続けていた。また、陸に上がって道を横切り森に移動するさいには、見ている人たちの間をすり抜けて行った。
 ほのぼのした光景に心がなごんだ。


2020年5月16日(土) 中日新聞、「雪中梅竹鳥図」の問題点を紹介

 これまで何度か書いてきている名古屋城本丸御殿のふすま絵、「雪中梅竹鳥図」の問題点を紹介する記事が、本日の中日新聞に掲載された。「消えた鳥 今どこに 本当にキジ? 鳥類学者 復元画に疑問」というタイトルのついた記事だ。昨年12月に東大出版会のUP誌に書いた私の論考をもとに、問題点をきちんと指摘してくれている。
 城を管轄する名古屋城総合事務所は、あいかわらず、復元画にまちがいはない、このままでよい、といったようなことを主張している。しかし、その主張は自画自賛、自己満足以外のなにものでもない(くわしくは、こちら)。この胴体と尾羽の向きや位置などがちぐはぐの、きわめて不自然な絵を、狩野探幽の絵、国の重要文化財の復元画としておいてよいわけはない。


2020年5月15日(金) コロナにはまいった!と言っているような。

 急用があって都心に出かけた。渋谷駅の近くで用事を済ませたのち、センター街とその近隣を歩いた。レストランなどが休業し、好みの生ごみが供給されない昨今、カラスたちがどうしているか気になったからだ。
 カラスの姿はまばらだった。ビルの縁にとまっているハシブトガラスが、なんとなくへたっているように見受けられた(写真)。「コロナにはまいった!」とつぶやいているような。。。
 帰路、銀座ものぞいてみた。以前、生ごみの量とカラスの数の関係を調べたところだ。やはり、生ごみは見当たらず、カラス界もひっそりとしていた
 本日、全国39県で緊急事態宣言が解除された。東京や神奈川などはまだ。感染が確認されている人の数は減少しているものの、たしかに油断は許されない。人のくらしはもちろん心配だが、都心のカラスも今後どう生きていくのだろう。

2020年5月10日(日) 季節は進む

 4日、国は緊急事態宣言の期間を今月31日まで延長することを決定。感染が確認されている人の数は減少傾向にある。しかし、あいかわらずPCR検査の数は限られているため、実際の感染者数がどのくらいになっているかは未知のまま。人のくらしは、さまざまなところで停滞、疲弊している。
 自然の営み、季節の移り変わりは、人間世界におかまいなしに進んでいる。湘南地方では、エゴノキ、ハコネウツギ、キショウブなどの花が盛期を迎えている。いろいろな情報をつなぎ合わせると、オオルリ、キビタキ、センダイムシクイ、サンコウチョウなどの夏鳥も、例年通り渡来しているようだ。
 自然や生きものの世界は、一年でもっとも活気づく季節。残念ながら、人の世はもっとも不活発な状態が続いている。

2020年4月30日(木) 緊急事態宣言下の大型連休

 全国対象の緊急事態宣言が出てから2週間。感染者数や死亡者数は依然増加している。緊急事態宣言は5月6日の連休明けまでとされているが、おそらく延長されるものと思われる。
 会社などは在宅勤務、大学などはオンライン授業、商店などの多くは閉店、不要不急の外出は自粛。つい2,3か月前までは想像もつかなかった状態だ。多くの人が健康に心配を抱え、病院は医療崩壊(状態)を迎え、中小企業の多くは経営が行き詰まり、だれもが不自由な生活を送っている。
 昨日から大型連休。いつもの年であれば、一年でいちばん楽しめる季節だ。今年は多くの時間を自宅ですごしながら、これまでの「あたりまえの日常」がいかに大切かを身にしみて感じている。

2020年4月23日(木) 多摩川河口

 この時期、毎年のように出かけている多摩川河口。人出の少ない時間帯をねらって出かけた。鳥はあまり多くはなかったが、キアシシギ、ユリカモメ、コサギ、ダイサギ、カワウ、スズガモなどがよく観察できた。ユリカモメは、すでに頭が黒くなった個体が目立った(写真)。オオヨシキリやコアジサシの姿は見られなかった。
 興味深かったのは、ユリカモメの採食。くちばしを水面につけたまま、小走りしながら何かをとる行動。おそらく、小魚をとっているのだと思われる。頻繁ではないが、個体によっては少なからず見られた。同様の行動は、この時期、キアシシギやアオアシシギなどでよく見られる。
 干潟では、潮干狩りをする人の姿が少数見られた。


2020年4月22日(水) Zoomで新体験

 ネットを使って会議を開くツール、Zoom。イギリスのジャーナリストと話す必要から、1週間ほど前におぼえた。わかってしまえば、いたって簡単。本日、予定通り、その女性記者と会話。30分ほどで無事終了。カラスの行動をめぐる話だった。
 このツールは、今後、国内外の人たちと会話や会議をするのにいろいろ使えそうだ。とくに、新型コロナで世界中の人が在宅勤務をしているような状況の中、便利に、また楽しく使えるのではないかと期待している。


2020年4月19日(日) 新緑、新型コロナ

 逗子のすまいから徒歩の距離にある葉山を散策した。新緑が野山を彩り、木々一つひとつが異なる緑を見せている。ヤマフジが薄紫、ヤマブキが黄色の花を咲かせ、緑の中できわだっている。一年中でもっとも美しい季節だ。
 街中では、ツバメのつがいが巣づくりを始めている。すでに抱卵に入っているものもいる。
 今月16日に、新型コロナに対する緊急事態宣言が全国に広げられた。感染はどんどん拡大している。8割減をめざした外出自粛要請が出ているが、街中の人出はそんなに減ってはいない。しかし、中小の企業を中心に休業しているところは多く、これらの企業の多くは存続が憂慮されている。政府からの支援は進んでいるようには見えない。
 命と経済、もちろんどちらもたいせつ。そのバランスをどうとっていくのかが、個人、企業、政治それぞれに突き付けられている。

2020年4月8日(水) 若緑広がる、緊急非常事態宣言、スーパームーン

 横浜北部の徳生公園。風もなく、暖かな日差しが降り注ぐ。サクラの花が散り、ケヤキ、コナラ、モミジなどの木々からなる林が若緑を広げている(上の写真)。ツツジやヤマブキは、花をつけ始めている。一気に、春の気配。季節の移り変わりが、例年よりも速いようだ。
 昨日、新型コロナ感染対策として、国が東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫、福岡の一都六県を対象に、緊急非常事態宣言を出した。学校や企業などいろいろな組織、事業体が活動の休止を要請される。
 ただし、制限は限られている。宣言が出された翌日のきょうも、多数の人が乗る朝の通勤電車は、ほぼ通常どおりの運行。都心を別にすれば、商店の多くは開いている。横浜北部の市街地では、道行く人の数も、そんなに少なくなっているようには思われない。公園にも、多数の人が出ている。
 緊急非常事態宣言は、5月の大型連休明けまで続く。その時点で感染拡大がおさまっていなければ、継続される模様。

 今宵はスーパームーン。知人から知らされ、あわてて撮影した(下の写真)。見事な月空!コロナ騒ぎでもやもやしていた気分が吹っ飛んだ。





2020年3月29日(日) 雪積もる、コロナの感染拡大

 早朝から、雪がしっかりと降った。あたり一面雪景色。この時期にはめずらしい。北関東では、平地でも10センチ以上積もったところがある。ただし横浜あたりでは、午後にはやみ、積雪量は数センチ。
 サクラは満開を迎えているのに、花々に雪がかぶっている。
 新型コロナの感染が、国内外ともに急速に拡大している。東京オリンピックは来年に延期。東京、神奈川、埼玉、千葉では、週末の外出自粛の要請も。この先、どうなるのかまったく不明。

2020年3月21日(土) サクラ見頃

 南関東では、サクラが見頃を迎えている。ヤマザクラ(写真)、オオシマザクラ、ソメイヨシノがそれぞれの美しさを見せてくれている。今年は早春の気温が急に高くなってきたせいか、この3つがほぼ同時に咲いているように見受けられる。通常の年であれば、ヤマザクラやオオシマザクラの方がソメイヨシノよりも早い。
 新型コロナの影響で遠出は控えているが、身近なところでも自然散策は十分に楽しめる。人出が多くないので、より快適とも言える。このご時勢、バードウォッチングなどの自然観察は、すぐれた余暇の過ごし方と言えるだろう。米国のオージュボン協会のトップページでも、同じようなことを言っている。
  
https://www.audubon.org/
 ただし、団体での行動は控えるべき。


2020年3月19日(木) カタクリの花

 外気温20℃という暖かさの中、横浜市北部の里山を訪れた。ヤマザクラ、コブシ、タチツボスミレなどの花が咲き、ウグイスがさえずり、カワセミが活発に動きまわっていた。
 とくにうれしかったのは、カタクリの花(写真)。そよ風に花が揺れていた。春の妖精Spring ephemeralとも呼ばれるこの花、花期は2週間ほど。ephemeralには、はかない命という意味もある。この地でカタクリの花を見たのは初めて。
 早春の草花の代表は、このカタクリ、そしてフクジュソウ、タチツボスミレ、セツブンソウなど。それぞれに違った雰囲気で、春の気配を感じさせてくれる。
 ウグイスやカワセミ以外に見られた鳥は、シジュウカラ、エナガ、ジョウビタキ、メジロ、ヒヨドリ、ハシボソガラス、コゲラ、カルガモなど。夏鳥の渡来にはまだ早い。



2020年3月16日(月) ジョウビタキ、別れと出合い

 春の訪れとともに、去っていく鳥とやってくる鳥がいる。冬鳥のジョウビタキは前者。しかし、この鳥はこの時期、移動をしつつ新たな場所に出現することにもなる。同じ地域でも、いなくなる場所がある一方、新たに出現する場所があるのだ。新たに出現するのは、南の方から移動してくる個体なのだろう。
 そんな状況が、私が日常的に通う横浜北部の緑地でも現れている。写真は新たに現れたジョウビタキの雌の一羽。短い滞在となるのだろう。
 その後、向かう先はどこなのだろうか。最近は、北海道や中部地方、西日本では繁殖が記録されている。国内どまりなのか、中国東北部あたりまで行くのだろうか。興味深いところだ。

2020年3月15日(日) 金沢八景~野島

 夫婦で金沢八景から野島方面を散策。私たちのお気に入りのコースだ。
 干潟には、多くの人が潮干狩りに出ていた(上の写真)。家族連れが多い。
 人のそばで、オオバンやヒドリガモが海藻をとって食べていた。海上には、スズガモの数羽から数10羽の群れ。そのそばには、ユリカモメの数10羽の群れ。まだ冬羽。水面から突き出た杭の上には、カワウが一羽ずつ。
 野島の頂上付近には、ヤブツバキの花。ちょっと遅いような気がするが、逆光の中で輝いていた。展望台の上からは、雨上がりのせいか、房総半島がくっきりと見えた。
 上空にはトビ。交尾の時期になっているのか、時折けたたましい声で鳴いているものがいた。堤防の上にはイソヒヨドリ(下の写真)。まだ独身のよう。
 暖かな日差しの中、心地よい一日だった。





2020年3月12日(木) 春が来た!

 久しぶりに横浜南部の舞岡に出かけた。時折曇りではあったが、まずまずの晴天。
 梅の花が終わり、あちこちでタチツボスミレの花が咲き、ウグイスが囀っていた。モズが巣探しを始めているようで、つがいになった雄(写真)と雌が一緒になって動いていた。陽が射して暖かさが増すと、すっかり春の気配。
 湘南地方では、ウグイスの初鳴きは昨日あたりのようだった。桜の開花も、早いところではあと数日とのこと。人間界は、新型コロナでいろいろなことが足止めされているが、自然は着実に歩み続けている。

2020年3月11日(水) 映画「グランド・ジャーニー」試写会

 「グランド・ジャーニー(Grand Journey)」は、一人の少年が、ノルウェーからフランスまで超軽量動力機でガンの群れを誘導する物語。本日、東京銀座の松竹本社で試写会があり、招待された。
 物語の概要はこうだ。一風変わった気象学者のクリスチャン・ムレク。フランスのカマルグでふ化させ、息子のトマと超軽量動力機に刷り込みさせたカリガネとカオジロガンのひなの群れを、ノルウェーのラップランドまで車で移送。必要な手続きを踏まずに進めるのだが、ラップランド到着後、やがて発覚。しかし、トマは強引にその地を出発、ガンとともに南に旅立つ。途中、嵐などに遭遇するも、いろいろな土地で人々の好意に助けられ、北海を越え、最終的にフランスのカマルグに到着する。そして、翌春、ガンの群れは自力でノルウェーのラップランドに到達。この間、トマの両親や知人との人間模様が絶妙に描かれ、感動のフィナーレとなる。
 鳥類学の視点からしてちょっとおかしいなと思うところもあるが、ヨーロッパ西部の美しい景色の中を超軽量動力機とともに飛び続けるガンの群れは、たいへん興味深い。
 25年ほど前に製作されたアメリカ映画「グース(原題:Fly Away Home)」のヨーロッパ版と言える。グースの場合と同様、実話にもとづくもので、かの児童文学「ニルスのふしぎな旅」を想起させる内容ともなっている。すでに、ウェブ上には予告ビデオが公開されている。
  https://grand-journey.com/
 一般公開は本年5月15日。

2020年3月8日(日) 新型コロナ感染症の流行

 今年に入ってから問題視されてきた新型コロナウイルス感染症が、国内外で急速に拡がっている。3月7日現在、すでに中国では感染者数が8万人、死亡者数が3000人を超えており、国内では感染者約700名、死者6人ほどになっている。日本での感染者数は、中国、韓国、イラン、イタリアに次いで5番目に多い(以下の厚生労働省のホームページ)。
  
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10028.html

 この先、感染がどこまで拡がるのか、いつ終息するのかはわかっていない。全国の小中高が休校を要請され、いろいろなイヴェントが中止となり、旅行者の出入りも制限されるようになっている。経済活動は低迷しつつあり、さまざまなところに影響が及んでいる。
 マスクはどこでもまったく手に入らない。風評もあってトイレットペーパーやティッシュペーパーも同様。
 手洗いやうがいの励行が最重要。なるべく人ごみを避けることも重要とされているが、これはなかなか難しい状況。。

2020年2月27日(木) カラス関連のテレビ番組に出演

 2月21日に日付が変わったのちの深夜に、テレビ朝日、超人女子戦士ガリベンガ―V 「カラスの謎を解明せよ!の巻」に出演した。カンボジアに向かう機内にいたため、この時は見ることができなかったが、送られてきたビデオを本日見ることができた。
 番組内では、お笑いの小峠英二さん進行のもと、バーチャルに登場する3人の若い女性相手に専門家が講義をする。今回はカラスをめぐる超難問に取り組む設定。カラスの特徴、カラスはどれだけかしこいか、なぜかいこいのか、カラスは遊ぶのかなどについて講義、質疑応答をした。一見ふざけたような雰囲気の中で、きちんと話が進んでいくところがおもしろい。3人のバーチャル女性はとてもかわいらしく、番組全体をもりあげている。
 同番組の動画は、以下のサイトで見ることができる。
  https://tver.jp/episode/68587992

2020年2月24日(月) カンボジアにて

 2月21日(金)からカンボジアに来ている。21日にはシェムリアップでアンコール・ワットの見学、22日にはトンレサップ湖で鳥の観察。アンコール・ワットは、言わずと知れた世界文化遺産。トンレサップ湖は、日本の琵琶湖の20数倍の面積を誇る大きな湖、一部がラムサールの登録湿地となっている。
 トンレサップ湖では、アジアヘビウ、ホシバシペリカン、スキハシコウ、インドトキコウ(上の写真)、コハゲコウ、クロハラアジサシ、ハリオハチクイ(下の写真)などなど、さまさまな鳥たちをじっくり見ることができた。晴天であったため、上昇気流に乗って多数のインドトキコウなどが帆翔する様子が見られた。
 本日24日は、カンボジア訪問の主目的であるバッタンバン教員養成大学での講義。「鳥の渡りと地球環境の保全」について話した。クメール語に通訳された。対象は、バッタンバンと首都プノンペンの2つの教員養成大学の教官。みなとても熱心に聞いていた。とくにハチクマが、遠く離れた日本とカンボジアをつなぐ渡りをしているという部分に興味をひかれているようだった。

 あすは、本日参加した教官との交流会などが予定されている。楽しみだ。
 今回のカンボジア訪問全体のコーディネーターは、特定非営利活動法人・ネイチャーセンターリセン。たいへんお世話になっている。
 2月26日に帰国の予定。


インドトキコウ


ハリオハチクイ


2020年2月15日(土) 梅の花、そろそろ見頃
 
 湘南地方では、梅の花がそろそろ見頃を迎えている。きょうは、横須賀・田浦の梅の里を訪れた。木によって大きなばらつきがあるが、早いものでは6~7分咲きといったところ。心地よい香りが周囲に漂っている。林床にはスイセンの花々。
 丘の上で昼食をとっていたら、妻のおにぎりをトビがつかみ取っていった。上空に現れたので気にはしていたが、大きな羽音もなく、背後から見事に(!)つかんでいった。手などにけがはなし。
 メジロやヒヨドリが梅の花にやってきているかと期待していたが、現れなかった。


2020年2月11(月)~13日(水) 松本市で講演

 2つの講演のため、長野県松本市を訪れた。一つ目の講演会場は、松本市音楽文化ホール。「鳥ってすごい!鳥が私たちに教えてくれること」と題して、渡り鳥の驚異の旅の様子や、カラスのおどろくべき知的行動について話した(12日)。主催は信州野鳥の会。
 2つ目の会場は、なんなんひろば(松本市松南地区公民館)。「東アジアにおけるタカ類の渡り」と題して、サシバとハチクマなどを対象に衛星追跡によって明らかになった渡りの詳細について話した(13日)。主催は信州ワシタカ類渡り調査研究グループ。
 どちらも盛会で、とても話しがいがあった。
 2日目の午前中には、安曇市の御法田遊水池でオナガガモやヒドリガモ、コガモなどのカモ類やコハクチョウ、オオバン、バン、カワウなどを観察した(上の写真)。3日目の午前中は、松本市アルプス公園を訪問。動物園で飼育中のハチクマを見学した。

 期間中、地元の鳥関係者と広く交流することができ、すばらしい時間をすごすことができた。また、晴天にも恵まれ、北アルプスの山々の美しい景色を楽しむことができた(下の写真)。







2020年2月7日(金)、8日(土) 青森県小湊で講演

 ハクチョウの町として知られる平内町で「ハクチョウのまちシンポジウム」があり、基調講演した(8日)。演題は「鳥の渡りと環境保全-ハクチョウ類に焦点をあてながら-」。会場は平内町立山村開発センター。
 講演のあとには、トークセッション「ハクチョウのまちを地域とともに守り伝えるには」が開かれ、パネリストとして藤 公晴 (青森大学教授)、小形正樹 (平内町白鳥を守る会理事)のお二人とともに登壇した。貴重な情報/意見交換の場となった。
 暖冬とは言え、当地では2日ほど前にどか雪が降り、あたりは一面雪景色。波静かな浅所海岸には、オオハクチョウやオナガガモ、キンクロハジロなどが群れ、のんびり過ごしていた(写真)。
 この時期ちょうど「白鳥まつり2020」が開かれており、海岸ではこの地の名物、ホタテガイの味噌汁などがふるまわれていた。寒い中、温かくておいしかった。
 2日間、地元の方たちと有意義な時をすごすことができた。

2020年1月29日(水) 不忍池のカモ類

 4月初めの暖かさとも言われる中、東京上野の不忍池を訪れた。カモ類をはじめ、カイツブリ、オオバン、ユリカモメ、カワウなど多数の水鳥を見ることができた。
 カモ類では、常連のオナガガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、ハシビロガモなどのほか、ヨシガモ(写真)7,8羽とオカヨシガモ30羽ほどが見られた。この池でヨシガモやオカヨシガモが見られるのは、とくにこれだけの数が見られるのはめずらしい。
 どの鳥も身近で見られるのがすばらしい。都心でこれだけの鳥をじっくり観察できる場所は、とても貴重だ。暖かな日差しのもとで有意義な時をすごすことができた。



2020年1月19(日)~22日(水) 三宅島

 巣箱の架設と噴火後の植生や鳥類の回復状況調査のため、三宅島を訪れた。巣箱はヤマガラ用20個架設。おそらく、4月以降、ヤマガラとシジュウカラが使用する。
 植生や鳥類の回復状況調査は、島の南西部の都道から環状林道付近までと、南部の太路池付近で実施。鳥が多く出現したのは、やはり太路池周辺。ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ウグイス、ヒヨドリ、ハシブトガラス、コゲラ、キジバト、カラスバト、キンクロハジロ、オオバン、カワウ、ミミカイツブリ、ノスリ、トビなどを観察。カラスやノスリは、ヒキガエルと思われるカエルを多数捕食していた。
 神着にある研究ステーション付近の海岸の岩礁には、ウミウとヒメウが5,6羽ただずんでいた(写真)。少し離れた海上にクジラらしき大型個体を発見。最近、この周辺の海域に出没している。

2020年1月10日(木) 筑波大学で講演

 日本学術振興会・科学研究費(科研費)「三宅島2000年巨大噴火後の20年間の生態系回復過程」の関連セミナーが筑波大学であり、講演した。演題は「三宅島の鳥と自然」。三宅島の自然の概要、2000年噴火の特徴、影響を受けた自然や生きもの、回復過程などについて、鳥類に焦点をあてながら話した。主催は、筑波大学山岳科学センター・科学研究費研究グループ。会場は、同大の総合研究棟A。筑波大学・生命科学研究科の廣田 充・准教授も、「三宅島の陸域生態系機能の回復過程」について講演。
 参加者は、科研のメンバー、三宅島の自然や生きものに関心をもつ教員、学生や院生など。セミナー終了後には懇親会があり、多くの参加者と意見交換、情報交換した。このような形で三宅島の関係者と交流するのは久しぶり。とても有意義な機会だった。

2020年1月5日(日) 四季の森

 久しぶりに横浜北部の県立四季の森公園に出かけた。暖かな日差しのもと、池畔や林内を散策しながら、鳥の観察を楽しんだ。
 池畔ではカワセミやカルガモ、コサギなど、林内では、メジロ、ジョウビタキ、シジュウカラ、ヒヨドリ、モズ、コゲラ(写真)、キジバトなどがよく観察できた。とくにコゲラは、つがいと思われる2羽が一緒に細めの枝をくるくるまわりながら、何かをつつき食べている様子が印象的だった。
 池畔には、カワセミ目的の人たちが10人ほど詰めていた。下くちばしの赤っぽい雌の一羽が、あちこち飛びまわりながら、よい被写体になっているようだった。


2020年1月1日(水) 水道ガラス、「世界が驚いたニッポンのNEWS」で第5位

 NHK BS1の人気番組COOL JAPAN の新春特集「世界が驚いたニッポンのNEWS」で、水道の栓をまわして水を飲んだり浴びたりするカラスの話題が、第5位にランクイン。
 毎年恒例の新春スペシャル。今年は昨年の日本のニュースから、外国人が驚いた話題を紹介。外国人にアンケートを実施し、トップ25をランキング形式で発表。まさか、昨年3月に私がBritish Birds誌に発表した横浜の水道ガラスの話題が、これほど上位にランクされるとは思ってもいなかった。
 番組では、私が撮影したハシボソガラスの水飲み・水浴びの動画とともに、私へのインタビューも紹介された。たしかにこの動画は、自分で言うのもなんだが、非常によく撮れているし、興味深い。海外の人にも大きな関心をもっていただけたのはうれしい限りだ。

 このカラスの話題についての詳細は、次のサイトを参照。
  https://www.asahi.com/articles/ASM3161QTM31ULBJ00W.html
 同番組の再放送は、以下の3回にわたって行なわれる。
  1月5日(日)午後0時(日中)~午後1時50分、1月8日(水)午後7時~午後8時50分、1月12日(日)午前0時(深夜)~午前1時39分。すべて、NHK BS1。


2020年1月1日(水) 真鶴

 おだやかな好天の元日。夫婦で神奈川県西部の真鶴に出かけた。
 海岸付近を散策しながら、スズガモ(写真)やユリカモメの群れ、ヒメアマツバメの巣などを観察。スズガモの群れは20羽ほど、おもしろいことに雄は2,3羽、ほかは雌(型)。
 ヒメアマツバメは駐車場の天井に巣をつくっている。いくつかの巣がかたまりになってできており、そうしたかたまりが10ほどある。越冬しているはずだが、本日は姿が見えず。近くの別の建物にコシアカツバメの巣がいくつかあったが、それがヒメアマツバメに使われている様子はない。この地のヒメアマツバメは、みずから巣をつくっている模様。
 浜のレストランで昼食。「アジづくし」をいただく。アジのたたき、てんぷら、干物からなる料理。正月らしい雰囲気を味わった。



戻る


戻る


                               TOPへ
フッターイメージ