| 2026年2月9日(日) 最新論文2編公開
日本鳥学会の英文誌Ornithological Scienceに、ヤマガラの一腹卵数の地理的変異と、富士山麓におけるヨタカの生息環境選択についての論文2編が公開された。
Seki, S., Yamaguchi N., Fujita, K., Mizuta,
T. and Higuchi, H. 2026. Geographic variation in clutch size of the Varied
Tit in East Asia: latitudinal gradient along the Japanese Islands.
Ornithological Science 25:47-56.
https://doi.org/10.2326/osj.25.47
Mizumura, H., Kubota, K. and Higuchi,
H. 2026. Breeding habitat selection and conservation of the Grey
Nightjar Caprimulgus jotaka in volcanic grasslands.
Ornithological Science 25:57-67.
https://doi.org/10.2326/osj.25.57
前者のヤマガラ論文は、日本列島各地でいろいろな研究者が調査したヤマガラの一腹卵数を統計解析したもの。列島に沿って明確な地理的変異(南方個体群ほど少ない)があること、また伊豆諸島南部の亜種オーストンヤマガラなど、一部の島個体群では緯度から期待されるよりも一腹卵数が少ないことを明らかにした。緯度勾配と「島の効果」について論じている。ヨーロッパのシジュウカラなどの例と比較すると、興味深い。
後者のヨタカ論文は、これまで明らかになっていなかった富士山麓溶岩草原でのヨタカの繁殖を扱っている。ヨタカは、疎林をともなう広大な草原の溶岩流上およびその周辺に主に生息していた。営巣地点は、堆積地では確認されず、溶岩流によって形成された尾根部に限られていた。営巣地は,非営巣地と比較して石礫サイズが大きく、裸地の割合が高く,中層(1–1.5 m)の植生被度が低いという特徴を示した。これらの結果は,火入れによって維持されている火山性の半自然草原が,ヨタカのなわばり形成および営巣に適した環境を提供していることを示唆している.
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